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エックス線(レントゲン)撮影について

2019.02.26

こんにちは、歯科医師の椎名です。

時々患者様からエックス線(レントゲン)撮影時の放射線についてご質問をいただくことがあります。

結論からいうと通常ありえない数のエックス線撮影をしない限りほとんど身体への問題はないとされ、
撮影により詳しく診査診断・説明ができるというメリットの方が勝る、という話になります。

(撮影を強要することはありませんが。)

とはいえ心配ないと言うだけでなく、実際に数値で見比べていただくのも大切ですよね^-^

 

というわけで、まずは放射線被爆でよく使われる単位の確認をしていきましょう。
mSv(ミリシーベルト)という単位が使われています。

さっそく数値の少ない順に並べてみました。(mSvは省略)
歯科で撮影するのは※をつけた3つです。
※歯科デンタルX線 0.01〜0.03(どの歯を撮るかで幅があります)
※歯科パノラマX線 0.02〜0.03
医科胸部X線    0.05
※歯科CT(顔の部分) 0.10

東京⇔ニューヨーク間
飛行機で往復  0.19〜0.20

医科CT(頭部) 0.50
胃のX線精密検査  0.60

一年間の自然被ばく
日本(平均)      1.10〜1.50

一年間の自然被ばく
アメリカ:デンバー市  2.10

一年間の自然被ばく
年間世界平均      2.40

集団検診(胃)     4.10
胸部CT         6.90

一年間の自然被ばく
ブラジル:ガラバリ市 10.00

全身被ばく      200.00
(これより低い数値での臨床症状は確認されていないとのことです。)
歯科でのエックス線撮影の放射線量は極めて低く、
パノラマも広範囲を撮ってはいますが実はデンタルとあまり大差はないんです。

それぞれの数値に幅があるため、ざっとの計算ですが
日本での平均的な一年間の生活 = 30〜150枚のデンタルエックス線撮影という感じでしょうか。
年間30枚撮られる方もそんなにはいらっしゃらないと思います。

また、お腹の中の赤ちゃんへの影響が懸念されるのは50.00mSvですので
仮に0.01mSvのデンタル撮影であれば
防護エプロンなしで5000枚撮影するとその量に至るという計算になります。
とはいえ、生まれてくる赤ちゃんのためどんな小さなリスクでも回避したいと思われるお母さんの心情は数字でどうこうではないかもしれませんね…

(妊婦さんと歯科治療についてはまた別の機会に)

エックス線画像診断は完璧な情報!というわけではありませんが
目に見えない部分の診断の助けになるのも確かです。

今回はエックス線撮影と放射線被ばくについてでしたが
それに限らず治療について不安なことがあれば気兼ねなくご相談ください。

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